「顔が切れちゃった」を防ぐ!印刷物の断裁ズレ回避術

フォトブックやカレンダーを作成・注文したら「写真の端が切れた」経験はありませんか?これは製造工程上避けられない断裁ズレです。

この記事では、断裁ズレが起こる原因と対策について解説します。
大切な被写体が切れないよう、写真の周囲に余裕を持たせることが重要です。

印刷・製造のさまざまな工程で生じる「ズレ」

「せっかくフォトブックを作ったのに、端の人の顔が切れている……」

お客様から届いた「プレビューでは問題がなかったのに、実際に届いた商品では写真の端が切れている」というお問い合わせ。その背景には、フォトブックやカレンダーの製造工程におけるいくつかの要因が存在します。

製造は主に機械で行われます。しかし、その操作や作業は人の手で行われます。このため、どうしてもプレビューと寸分違わぬ仕上がりにはなりません。

また、印刷時には、気温や湿度の影響による紙のわずかな伸縮によっても、印刷位置に微細なズレが生じる可能性があります。さらに、印刷されたものを断裁する工程においても「ズレ」は避けられないのが現状です。

さまざまな工程を経ていくうちに生じてしまう「ズレ」。
今回は、その中から「断裁時のズレ」に焦点を当て、そのメカニズムと、大切な被写体や文字が切れないようにするための対策をお伝えします。

断裁ズレが起こる原因とは?


TOLOTの工場では大きな紙に複数の印刷物をまとめて印刷し、その後断裁します。
この時、大量の紙を重ねてカットしますので、重ねた際の小さな位置ズレや刃の入り方、紙の伸縮などの複数の要因により、わずかなズレが生じます。
TOLOTでは極力ズレがないように注意して作業しておりますが、完全に防ぐことが難しい現象です。

この断裁ズレの現象はTOLOTに限ったことではなく、同様の印刷サービスでは一般的に起こりえます。
このため、お客様が事前に断裁ズレが起こる可能性を理解して適切な写真を用意されることが、断裁ズレの影響を最小限に抑える第一歩となります。

ポイントは「±3mm」!断裁ズレを防ぐ対策


断裁は、断裁するラインの外側にも内側にもずれる可能性があります。

外側にずれた時に背景の色や画像が途切れて白く見えてしまうことを防ぐために、断裁されるラインは画像の周囲から3mm内側に設定しています。 TOLOTではこの周囲3mmをカットした状態をプレビューで表示しています。

このように原稿として用意された画像より3mm内側に設定された断裁ラインですが、断裁は内側にずれる可能性もあります。 そのため重要な要素はプレビューで表示されている範囲より、さらに3mm以上内側に配置してください。

TOLOTでは、アプリのプレビューで表示されている内容と3mm以内の断裁ズレは許容範囲としており、再印刷の対象とはなりません。あらかじめご了承ください。

周囲に枠を設けた写真も要注意


断裁ズレは、画像の周りに設けた枠やフチのデザインにも影響を与えます。 ズレによって枠が途切れてしまったり、太さが不均一に見えてしまったりすることも。

このため、プレビューで見えている状態から
  • 十分に内側に配置する
  • 太めの枠にする
など、断裁のズレを目立たなくする工夫が必要です。 場合によっては、デザインを変更して、そのような表現を避けることもご検討ください。


断裁ズレは、製造工程で避けられない現象の1つです。
また、アナログな工程の積み重ねで商品ができている特性上、厳密には1つとして同じものが存在しません。
極端な例を挙げれば、最初の注文は内側に3mmずれ、2回目以降の注文では外側に3mmずれた場合、その差分は6mmになります。この2冊を比較すると大幅にずれたように見えることもありえます。

写真の周囲に十分な余白を設けることで、断裁ズレによる影響を最小限に抑えることができます。ご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。
最終更新日:
公開日: 2025/04/16